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リバージュプロセス|処理性能特長

リバージュプロセスでは、嫌気と好気の繰り返し処理を行います。
その効果として、余剰汚泥を出さない(若しくは少ない)というメリットがありますが、
その他にも、糸状細菌対策、脱窒浮上対策、原水負荷変動対策等を具備している
河川放流対応、省エネ・省コスト、安定運転を可能とするなどの特長を備えています。

リバージュプロセスと活性汚泥法の違い

リバージュプロセスの技術は、曝気槽、固定ろ床槽、ブロワー、ポンプ、スクリーン等と通常の好気性処理法の多くとほぼ同等(但し、汚泥処理設備は不要)ですが、その性能は、活性汚泥法の水処理機能に加えて汚泥の減容化や、安定運転という能力を備えた高い機能性を持った技術です。

5大性能特長


1.糸状微生物の抑制

1)糸状細菌、糸状菌、放線菌等の発生のメカニズム

糸状微生物は多種類存在し、日本下水道協会発表の検索表に約25種が記載されています。 これらのうち約半分は硫化水素や腐敗分解物を好む糸状細菌で、内部に腐敗があると出現するタイプです。(Thiothrix sp. Beggiatoa sp. Type 021N Type 0041等が代表)
他に過負荷や未処理のBOD濃度が高めで出現する菌(Sphaerotilus sp. Type 0961等)や、亜硝酸発生時や難分解成分が原水に多いと出現する事が多い菌(Microthrix par. Nostcoida sp. 等)が存在します。
細菌ではありませんが、糸状微生物の一種の放線菌(Gordona amarae他)は油分を好み、油分やSS中に油脂分が多い原水の場合に下記トラブルを発生させる事が多い様です。カビ(真核生物で本当の意味で糸状菌)も活性汚泥に出てくる事があり、pHが高すぎたり低すぎたり、燐や窒素不足等、過負荷が非常に強い場合等で細菌類の増殖を妨げる様な要因があると出現します。

この様に糸状微生物の発生原因は種々の場合があり、糸状細菌は・・とか、糸状菌は・・とか一括して性質を言う事は出来ませんし、各々が異なる性質や出現環境が異なる事を理解する必要があります。排水処理設備の管理に於いては、トラブル発生時にどの様な種類のものが出現したのかを分類し、データとして保存する事はトラブル対策上で必要な事です。

活性汚泥を顕微鏡により分析する等して、糸状細菌の発生種類を調査、特定し報告することも可能です。詳細は、お問い合わせください。

2)発生した場合の現象

一番困るのは糸状微生物が多くなった結果、汚泥フロックの形成が阻害されて比重が軽くなったり、糸状体がフロック外に伸びて水流に流され易くなる事です。その結果バルキング現象となり汚泥の越流が起こり易くなるので原水処理量を下げねばならなくなったり、汚泥濃度を減らしたりして処理水の悪化を招く事が問題です。汚泥の越流がひどくなると水質汚濁防止法問題や工場操業停止等の危険も出てきます。

放線菌は発泡問題を引き起こし、沈澱槽にスカムが溜まったり、気泡を巻き込んで汚泥の浮上問題が発生し易くなります。

リバージュでは曝気されている好気性汚泥層と、後段にある4~8槽の生物槽には大量の固定ろ床が設置されていてその部分は曝気が当たらない様にされている為に強い嫌気状況になっている大きな部分があります。糸状細菌の抑制の為に、主に最新型の下水処理設備で採用されている嫌気好気法は、前段1~2槽だけの嫌気好気法ですが、リバージュではこの嫌気好気法になっている部分が4~8槽あり、それだけ嫌気好気法による糸状微生物抑制の効果が数倍と強く働いています。
その為に、上記糸状細菌の殆どのものが抑制され、万一前段の攪拌曝気槽で多少の糸状細菌が発生しても後段の生物槽で劣化して死んでいく事が実証されています。

以下は通常の活性汚泥法をリバージュ法に変えて2.5週間後の汚泥フロックの状況ですが、糸状細菌(Nostcoida limicolaと Type 0041)が殆ど消えてきました。

3)リバージュプロセスで糸状微生物が抑制出来る理由

リバージュへの改造は、既存の活性汚泥槽に生物槽を追加して行ったもので、能力増強運転操作の安定化と簡略化、余剰汚泥の削減を目的にしたものです。
放線菌による発泡に関しては、生物槽の汚泥上に発泡が見られる状況になった時に以下の事を行って、放線菌の住み家である発泡物を嫌気性のろ床に付着させる様にすれば絶対好気性である放線菌は劣化して死にますので、それ以上の発泡は阻止出来ます。

■放線菌対応策:
生物槽に浮上し始めた泡を1日1~2回ホース水で叩くか、曝気攪拌を一時止めた後に急速に攪拌を始め、泡を浮遊汚泥層に混ぜ込めば付着力の高い泡は下層の固定ろ床に付着しますので、固定ろ床の嫌気状況によって放線菌を抑制する事が出来ます。この方法は実績で実証済みです。